日本女性はやせ願望が強いと言われており、実際に「ダイエットをしたい」と考えている方も多いかもしれません。しかし、過度な食事制限は体調を崩す原因となります。
そこで今回は、エネルギー量の関係と体重変動の仕組みについて説明していきます。
①エネルギー必要量
まずはじめに、エネルギー必要量を算出するために用いる「基礎代謝量」、「身体活動レベル」について説明します。
1)基礎代謝量
基礎代謝量とは、身体的・精神的に安静にしている状態でのエネルギー代謝量のことで、生命活動に最低限必要なエネルギー量です。基礎代謝量は体格や体表面積、性別、年齢などによって変動するため、個人差が大きいものの、測定には様々な条件を整える必要があり容易に測定することができません。そのため、一般的には性・年齢階級別に体重㎏当たりで示した基礎代謝基準値と体重を乗じて値を算出します。
*18~29歳の女性の基礎代謝基準値:22.1kcal/kg体重/日
この値を用いて実際に基礎代謝量の算出をしてみましょう。例として、事務職でデスクワークが中心のAさん(55㎏)の場合は、
基礎代謝量=22.1kcal/㎏×55㎏=1216kcalとなります。
2)身体活動レベル
身体活動レベル(PAL:Physical Activity Level)とは、1日で消費するエネルギーが基礎代謝量の何倍かを示した数値です。活動レベルによって3段階に分けられています。
レベル区分 | 日常生活の内容 | |
Ⅰ
(低い) |
1.5
(1.40~1.60) |
生活の大部分が座位で、
静的な活動が中心の場合 |
Ⅱ
(ふつう) |
1.75
(1.60~1.90) |
座位中心の仕事だが、
職場内での移動や立位での 作業・接客等、あるいは 通勤・買い物・家事、 軽いスポーツ等のいずれかを 含む場合 |
Ⅲ
(高い) |
2.0
(1.90~2.20) |
移動や立位の多い仕事への
従事者、あるいは、スポーツ等 余暇における活発な運動習慣を 持っている場合 |
先ほどのAさんの場合、デスクワーク中心の生活であり、運動習慣もないためレベル区分はⅠ(低い)となります。
3)推定エネルギー必要量
推定エネルギー必要量(kcal/日)=基礎代謝量(kcal/kg体重/日)×身体活動レベル
推定エネルギー必要量は上記の式で算出することができます。
例としてあげているAさんは、基礎代謝量が1215.5kcal、身体活動レベルがⅠ(低い)なので、この式にあてはめ、
推定エネルギー必要量=1216kcal×1.5=1824kcalとなります。
②エネルギー摂取量と消費量の関係
エネルギー摂取量とエネルギー消費量が等しいときは体重に変化はありません。
しかし、エネルギー消費量がエネルギー摂取量を下回ると体重の増加につながります。
エネルギー消費量は基礎代謝量と身体活動レベルで決まるため、適度な運動を行うことでエネルギー消費量の増加につながります。
まとめ
体重を減少させたいと考えている人も過度な食事制限に取り組むのではなく、適度に運動しながら健康にダイエットに取り組みましょう。