日々の食事のなかで、健康や美容をサポートするために注目されることも多い大豆製品。特に、年齢とともに変化するからだのバランスを整える成分として、「大豆イソフラボン」を上手に食生活へ取り入れていくのはとても良いことではないでしょうか。しかし、なんとなく身体に良さそうとは知りつつも、具体的な働きまでは詳しく知らないという方も少なくありません。今回は、大豆イソフラボンの基本的な特徴、摂取の方法についてお話をしていきます。
①大豆イソフラボンとは。
大豆イソフラボンは、大豆、特に大豆胚芽に多く含まれる成分です。大豆イソフラボンは、女性ホルモン(エストロゲン)と分子構造が似ていることから、植物性エストロゲンとも呼ばれています。
②大豆イソフラボンの働き。
大豆イソフラボンは通常は糖が結合した構造をしていますが、糖がはずれた構造のものを「大豆イソフラボンアグリコン」といいます。この「大豆イソフラボンアグリコン」は分子構造がヒトのエストロゲンに似ているため、エストロゲンに似た作用を生じることが知られています。エストロゲンは、第二次性徴の発現や月経周期の調整などの重要な働きを担っています。
③大豆イソフラボンはどんな食品に含まれているの?
・大豆イソフラボンは、大豆を原料とする加工食品のほとんどに含まれていますが、原料大豆の種類や食品の製造方法などによってその含有量は異なります。
・食品安全委員会の評価によると、食品100g中の大豆イソフラボン(アグリコンとして)の含有量は以下のとおりとなっています。

④大豆イソフラボンはヒトの健康にどのような影響があるの?
エストロゲンと構造が類似しているため、エストロゲン受容体に結合し、生体作用を発揮します。(試験管内の試験、動物実験で示されている)
骨粗鬆症、乳がんや前立腺がん等の予防効果が期待される一方、乳がん発症や再発のリスクを高める可能性も考えられます。(未だ実際に多くの研究が行われている段階にあり、ヒトにおける大豆イソフラボンの有効性と安全性についての議論は確立していません。)
※食品安全委員会「大豆イソフラボンを含む特定保健用食品の安全性評価の基本的な考え方」より
⑤大豆イソフラボンによる健康への影響を考えると、大豆食品は食べない方がいいの?
日常の食生活では、大豆食品を含めてバランスのよい食事を心がけるべきです。なぜなら、大豆食品には、大豆イソフラボンだけでなく、他にも多くの有益な食品成分が含まれており、大豆食品を食べることは健康に良いと言われているからです。
通常の食生活で大豆食品を食べることは、全く大豆食品を食べない場合に比べて、健康に有益であることが報告されています。もし、大豆イソフラボンによる悪影響を心配して大豆食品を食べることをやめてしまうと、大豆食品から栄養成分を得られなくなり、むしろ健康を損なう可能性もあります。
⑥では、大豆イソフラボンを含む食品を食べる際に、何か注意する必要があるのか。
大豆イソフラボンを含む食品のうち、豆腐、納豆、煮豆、みそなどの「伝統的な大豆食品」については、日常の食生活の中でその他の食品とともにバランスよく食べるように心がけてください。また、大豆イソフラボンを関与成分とする特定保健用食品の過剰摂取による大豆イソフラボンの摂り過ぎには注意してください。
※日本においては、これまで、大豆イソフラボンを含む多種多様な大豆食品が日常的に摂取され、日本人は一般的な大豆食品の食経験を有しています。これら大豆食品の摂取に関し、安全性について特別の問題が提起されたことはありません。
※大豆食品は低脂肪であり、植物性たんぱく質、カルシウムなどの栄養素に富む食品として、日本人の食事の健康的な因子であると考えられています。食事バランスガイドなどを参考に、ひとつの食品・成分に偏ることなく、バランスの良い食生活を心がけてください。なお、食事バランスガイドでは、大豆及び大豆製品を使った料理は「主菜」として、肉料理、魚料理、卵料理と合わせて1日に3皿程度とされています。
⑦適量を摂ることで健康な食生活を。
今回紹介してきた大豆イソフラボンですが、1番のポイントは「日々の食事のなかで、偏りなく適量を摂ること」です。大豆製品にはたんぱく質やカルシウムなど、ほかにも優れた栄養素が豊富に含まれています。サプリメント等による過剰摂取には気をつけつつ、食事バランスガイドを参考にしながら、健康な食生活を送るために大豆食品を上手に活用してくださいね。


