妊娠すると体重の増加が気になる人は多いかもしれません。近年では体重増加が不足し、産まれてくる赤ちゃんにも影響が出てくることも問題になっています。そこで今回は体重増加の目安はどのくらいなのか、また、母子へ与える影響についても説明します。
❶女性の体格をめぐる課題
まずは、現代女性が抱える課題とはどのようなものなのでしょうか?
平成29年の国民健康栄養調査によると、20代の2割、30代の1割弱で低体重(やせ※)の者が存在し、近年増加傾向にあることがわかっています。
過度なダイエットなどで体脂肪率が低下すると月経不順、無月経、さらにエストロゲン(生殖器官を維持、発育させ、女性らしさを維持するホルモン)の分泌低下によって骨密度の低下を引き起こします。
※BMI(「体重」を「身長」の二乗で割った値)が18.5未満をさす。 身長160cm,体重55kgの人であれば、55÷1.6÷1.6≒21.5になる。
❷母親の体格が与える影響
増え続ける低体重(やせ)の女性。
お母さんの体格が赤ちゃんに与える影響には、低出生体重児分娩、切迫早産、母乳分泌不良などがあります。
また、おなかの赤ちゃんに起こる影響には、成人後の生活習慣病、発育の遅れなどが知られています。
❸体重増加の目安が改定
そこで2021年3月、厚生労働省は15年ぶりに妊娠中の体重増加量を見直し、目安の値を3㎏程度引き上げることになったのです。
❹かといって増えすぎも良くない!?
しかし、だからといってむやみに体重を増やしてはいけません。肥満(※2)になると分娩異常や妊娠糖尿病や妊娠高血圧症候群などの発症リスクが高まります。
※2「体重」を「身長」の二乗で割った値が25以上をさす。
◎まとめ
人によって差はありますが、妊娠後の体重増加の目安をご紹介しました。今の体重のおよそ+10㎏と聞くとハードルが高い気がしてしまいますが、一番はお母さんがストレスを感じないことが大切です。無理せず体重管理をしていきましょう♪