「なんだか最近疲れやすい」「頭痛やめまいが続く」…などのお悩みを抱えていませんか?
その不調、鉄不足のせいかもしれません。
特に月経中や妊娠中の女性は鉄不足が生じやすいので要注意!
今回は鉄不足への対策方法についてご紹介します。
➀鉄はどんなはたらきをしているの?
まず、血液中の赤血球のもとであるヘモグロビンというたんぱく質が全身に酸素を運んでいます。ヘモグロビンが酸素と結びつきやすい性質を持っているためです。
そして、そのヘモグロビンの材料として重要なのが鉄です。つまり、鉄は全身に酸素を運ぶという重要なはたらきを担っています。
➁鉄が足りないとどうなるの?
前述のとおり、鉄が不足すると体内で酸素が不足してしまいます。このことを鉄欠乏性貧血といいます。
主な症状は、顔面蒼白、動悸、息切れ、めまい、全身倦怠感、浮腫、立ちくらみなどです。また、スプーンネイル(さじ状爪)といって、爪がスプーンのように反り返っている方は鉄欠乏性貧血の可能性が高いため要注意です。
継続的な鉄の摂取不足、月経過多、出血などにより引き起こされる恐れがあり、食事から十分な量を継続的に摂取する必要があります。
➂どれくらい摂取すればいいの?
成人1日あたりの摂取推奨量は、男性が7.0~7.5mg、女性(月経あり)が10.5~11.0mg、女性(月経なし)が6.0~6.5gとされています。この推奨量に加えて、妊婦初期・授乳婦は2.5mg、妊婦中期・後期は9.5mg、の付加量が設定されています。
一方、耐用上限量は男性が50~55mg、女性が40~45mgです。上限量を超過した摂取が続くと、かえって臓器障害などの過剰症が生じる恐れがあります。特にサプリメントや鉄強化食品などの利用で過剰が生じやすいため、摂取する量に注意しましょう。
➃何を食べればいいの?
鉄にはヘム鉄と非ヘム鉄があります。
ヘム鉄は肉や魚などの動物性食品に多く、中でもレバーに多く含まれます。
一方、非ヘム鉄はほうれん草や小松菜、ひじき、大豆、鶏卵などに多く含まれます。
ヘム鉄は非ヘム鉄より体内に吸収されやすいため、意識して摂るようにしましょう!
例として、豚レバー30gには3.9mg、卵1個(55g)には0.8mg、小松菜50gには1.4mg、木綿豆腐1/2丁(150g)には2.3mgの鉄が含まれます。
特定の食品ばかり食べていると栄養バランスが偏る危険があります。ここで紹介した食品はほんの一部なので、様々な食品を組み合わせて十分な量を摂取できるようにしましょう。
◎まとめ
鉄は体内で非常に重要な役割を担っており、不足によって様々な不調をきたします。特に女性は月経や妊娠などの影響から不足しやすいため、十分に注意が必要です。
不足の予防としてはもちろん、疲れやすさなどの不調を感じ始めている方は、早い段階で鉄不足の改善に取り組みましょう。
<参考文献>
・川端輝江:新版基礎栄養学 栄養素のはたらきを理解するために,133-136,株式会社アイ・ケイ コーポレーション,東京(2019)
・厚生労働省:日本人の食事摂取基準 2020年版,311-321