「食物繊維をとると、腸内環境がよくなる」なんて聞いたことがありませんか?
食物繊維はからだにいいからとったほうがいいというイメージは、皆さんにあると思います。でも実際には、どのようにはたらいていて、どんな効果があるのでしょうか。そこで今回は、食物繊維のはたらきと効果、多く含まれる食材についてお話します。
①体内ではどのようにはたらくの?
食物繊維とは、ヒトの消化酵素で消化することができない食物成分のことを指します。通常食物は胃や口腔内の消化酵素によって消化され、体内へと吸収されます。しかし、食物繊維は消化酵素で消化されず、直接大腸に到達し、腸内細菌のえさとなります。腸内細菌は、食物繊維を取り込んで腸内を酸性にすることで、悪影響を及ぼす菌の増殖を防ぎ、腸内環境を整えてくれます。
②どんな効果があるの?
食物繊維の効果を詳しく説明します。
1.便秘の予防:食物繊維は保水性をもっているため、便の容積を増やして消化管の動きを活発にすることで、便秘を予防につながります。
2.生活習慣病の予防:保水性に加えて、粘性を持つ食物繊維は腸管内の成分を吸着する性質を持ちます。この粘性により、糖の消化・吸収を遅らせて血糖値を低下させることで糖尿病の予防につながります。また粘性は、コレステロールや中性脂肪、ナトリウムなどの吸収を抑制する作用もあり、高脂血症や動脈硬化、高血圧の予防につながります。
このように、食物繊維はたくさんの効果があることがわかります。近年増加している生活習慣病の予防には、とても重要なものなのです。
③1日どれくらい摂取したらいいの?どんな食材に多いの?
食物繊維は、1日当たり18~64歳の男性で21g以上、女性で18g以上摂取することが望ましいとされています。
では、どんな食材に多く含まれているのでしょうか。例としては、玄米ごはん、ごぼう、さつまいも、しいたけ、乾燥ひじきなどがあります。そのほか、野菜類や豆類などさまざまな食品に含まれているので、特定の食品に偏らないように注意しましょう。
食材 | 食物繊維の含有量 |
玄米ごはん | 2.1g/茶碗1杯 |
ごぼう | 5.7g/100g(約1/2本) |
さつまいも | 2.8g/100g(約1/2本) |
しいたけ | 4.9g/100g(約6.5個分) |
乾燥ひじき | 2.6g/1回使用量5g(大さじ1と2/3) |
〇まとめ
食物繊維は、私たちのからだを健康に保つために重要な役割を果たします。
まずは、1日1回から海藻類やきのこ類などを使った料理を取り入れてみるなど少しずつ摂取量が増やせるようにしてみましょう。
腸から元気に、健康を目指していきましょう!